NPOらしい事業収益の上げ方


UntitledNPOが行う事業の多くは企業が行っているものと同じです。「レストランを繁盛させるには」というノウハウは、規模の違いこそあれ、NPOのコミュニティレストランと大手チェーン店で共通する部分があるでしょう。そこで、営利企業のノウハウから学ぶという姿勢と同時に、NPOならではの価値、すなわち「共感」と「参加」によって収益を上げていくことを考えます。

1. 共感
1)共感による購入
例えば、環境団体が販売しているエコバックをイメージしてください。 買い物にエコバックを持参するのが一般化している中で、様々なエコバックが売られています。ちょっとしたブランドものなら、買い物袋以上のオシャレな装いに使われています。大手のスーパーのレジの近くに、とても上部そうでデザインもステキなエコバックが手頃な値段で売られていたりします。

では、だれが、その環境団体のエコバックを買うのでしょう。それは団体の活動に「共感」している人たちです。寄付者や会員が、団体のイベントで買う、団体のウェブサイトから買うのです。いわば、共感購入です。 団体の支援者にとっては、エコバックのデザインや値段も大事ですが、それ以上に。「応援している団体のグッズ。」という点が大事なのです。時には、そのロゴや描かれているメッセージを他者に見せることで「自分はこういう社会貢献意識をもっている」ということをアピールしたいと感じているのかもしれません。

さらに、そのことを伝えたくなると、知り合い等に、「これ、かわいいでしょ。ほら、あそこの海岸のウミガメ保護団体のバッグなの。」と見せたり、場合によっては、だれかにプレゼントしたりします。雑貨屋さんで買ったものよりも値打ちがあると考えるのが支援者です。

2)メッセージを盛り込む
商品であれサービスであれ、最初の購入者となる可能性が高い既存の支援者、彼らが共感している団体のミッションが、商品やサービスに反映されていることが望まれます。 「売り上げが活動資金になるから買いましょう」なら、事務所の不用品バザーでいいかもしれませんが、ここで共感購入する人たちには、「社会へのメッセージ」という付加価値が必要となります。

先のエコバックなら、環境保護をイメージさせるデザインや団体ロゴがプリントされている、さらに、簡単な団体紹介のカード「このバッグは、xxに取組むxxの会がつくったものです。環境に優しい社会の実現にご協力ください。」が、商品タグとして、あるいは中に添えられていたらいいかもしれません。

同時に、「自分が共感しているものを誰かに伝える」ためのツールとなる可能性があるので、そのメッセージはわかりやすく、かつ親しみの持てるものでなくてはならないでしょう。 エコバックを例にすれば、環境破壊に対するあまりにも強い抗議文などが添えられていたら、それを気軽なプレゼントにするのはためらわれるかもしれません。

社会へのメッセージを軸に、「共感」の輪が拡がることで、NPOらしい販促が実現します。

2. 参加
NPOでは、寄付者、会員、ボランティアといった、「支援者」と呼ばれる人たちが様々な立場と方法で団体の運営に参加して、課題解決活動を支えています。事業で収益を上げていく際にも、支援者の参加と協力が期待されます。

1) 販路の拡大
前項で「支援者が顧客を連れてきてくれる」ことを説明しましたが、販路の拡大にも貢献してもらえます。例えば、支援者が経営する店舗で商品を販売してくれる、あるいは知り合いの店舗を紹介してくれるといった可能性です。

2) 経費削減
事業にボランティアとして参加してもらうことは、人件費の軽減で収益率の向上が期待されます。時間と労力を提供してくれるボランティアはNPOならではの貴重な人材です。

3)支援者による商品開発
団体のミッションに共感している支援者ならではの事業への助言が新しい商品開発につながります。

たとえば、コミュニティカフェのスタッフを地域の女性がボランティアで務めているとします。支援者でもあるその人は、何人かのお年寄りが決まった時間帯にコーヒーを飲みにくることに気づきます。そこから顔見知りの会話が始まっていることにも気づきます。それぞれが編み物や手芸等を趣味にしている話も耳にします。そのコミュニティカフェの運営団体の「優しさでつながる地域づくり」や「みんなの居場所づくり」といったミッションに共感しているボランティアは、早速、レストランの一角のテーブルをつなげて、お茶とケーキを楽しみながらお年寄りが教える「手芸教室」のアイディアを出し実現し、食事時間帯以外の集客にもつなげたりします。 それを見た別の支援者は、知り合いの著名な手芸家を年に数回、ボランティア講師として招くことを提案して、人気イベントの開催につなげます。また、レジの横で手芸品の物販も行なうなど、いろいろな収益のあげ方が実現します。

NPOの強みである、「参加のチカラ」を活かして収益を上げていくためには、積極的に支援者の参加を促し、その声に耳を傾け、事業を進めていく姿勢が求められます。