寄付をお願いする手紙の書き方


12月は「寄付月間」。年の瀬に向けて寄付キャンペーン等を計画している団体も多いと思います。今回は、寄付の依頼を手紙で送るときの8つのポイントです。読んでもらって、寄付しようって思ってもらえるために留意すべきポイントです。

郵送された手紙には、「わざわざ、郵便で私に宛てて送られてきた」という訴求力が備わっています。肉筆で一筆添えることもできますし、また、依頼状以外にも、関連するチラシやパンフレットも同封できます。そして、手元に保存してもらえる、くりかえし手に取ってもらうこともできます。

ただ、印刷、封入、発送、そして郵便代など手間と費用のかかる「手紙」ですから、受け取った人に高い確率で寄付をしてもらえるような工夫が求められます。そこで、寄付を依頼する手紙の書き方を考えてみます。

1.「あなたへ」の気持ちを表す

郵送された手紙には、「わざわざ、郵便で送られてきた」という訴求力が備わっていますが、開封してみたら、「各位」から始まる事務的な文面だったら、私信ではなく不特定多数に大量に送られたものだという印象をもたれてしまって訴求力が下がります。

そこで、文章の宛名の部分に名前を入れられたらベストです。同じ名簿リストを使っていわゆる「差し込み印刷」機能で手紙と宛名のラベル作成をすれば、手紙とラベルの順番は同じになりますから、それほど面倒なものではありません。ただ、封入時に「名前を取り違えていないか」の確認は必須です。こうした個人的な依頼は発送数が限られている際に可能なものとなります。

一方、同時に多くの人たちに郵送物で寄付を募ろうということもあるでしょう。その場合に手紙の宛名を個人名にするのは無理ですが、「各位」ではなく、「xxを応援くださっている皆様へ」みたいな書き方をしてはどうでしょう。

2.感謝の言葉から始める

お願いごとでも、冒頭に感謝の念を表すことが大切です。会員への手紙なら、「会員としてのご支援に心から感謝しております。ありがとうございます。」というように。また、過去の特定のプログラムに対する寄付者への手紙なら、「xxxに対するご寄付は、xxxのために大切に使わせていただきました。ありがとうございました。」というように。

もし、一度も金銭的な寄付をしていない相手でも、何らかの接点があって住所という個人情報を得た人なのですから、「平素より弊団体の活動に関心をお寄せくださり、ありがとうございます。」程度のお礼なら不自然ではありません。

「ありがとう」と言われて悪い気はしません。むしろ、「感謝されたら、また何かしてあげたくなる。」というのが人情です。お願いの前に、感謝の言葉を入れてください。

3.寄付の依頼だということを明確に表す

文章に「ご支援ください。」とだけ書かれていて、よく見たら振込用紙が同封されていたという寄付の依頼書(?)を見たことがあります。ある意味奥ゆかしいのですが、それでは、何を求められているのかがわかりません。寄付をお願いしたいのですから、「ご寄付ください」というメッセージをきちんと入れなくてはなりません。

また、「ご寄付ください」と頼まれても、「いくらしたらいいか」と悩んでしまい、そのまま寄付しない結果となることも考えられます。そこで、「一口いくら」ということを明記する、支援内容で寄付金額の選択ができることを明記する必要があります。

4.寄付金の使い道を明らかにする

寄付によって何が実現するのか、それを明確に書いてください。「寄付をする際に重視すること」という問いへの回答で半数以上の人が「使途が明らかで、有効につかってもらえること」という項目を選択したという調査結果もあります。

何のために使うのかをはっきり書く、そして、関連する活動で実績をあげているのなら、それも伝えたいものです。手紙の文章が長くては読む気になれませんから、手紙とは別に、写真付きで活動を紹介して寄付を募るチラシを同封してもいいでしょう。

5.目標金額を書く

使途を明確にしたうえで、いくら必要なのかを明記することも大切です。施設建設などの総額を示せるものは総額を、途上国の教育支援なら何円で何人の子どもが一年間学校に行けるかといった具体的な数値があると、そこに自分の寄付が生かされていくことが実感できます。

また、追加の寄付募集なら、すでにその目的のために集めたこれまでの寄付金額を示すことで、団体の透明性への信頼感と、目標達成への貢献意欲が生まれます。

6.募集期間を区切る

募集期間が明らかでないと、いずれ寄付すればいいという気持ちになって、そのうちに忘れられてしまうことにもなりかねません。使途と目標金額と募集期間は3点セットだと考えてください。

7.寄付の方法を伝える

寄付の方法を明確に伝えなくては、寄付してもらえません。

メールで寄付を募る場合は、オンライン決済が寄付者にとって最も簡便な支払い方法となりますが、手紙での依頼の場合、読んでいる時にパソコンの画面の前にいるとは限りませんから、振替口座番号を印字した「赤色(振替手数料は団体負担)」の払込取扱票を同封することで、後でそれを持って振り込んでくれるという流れも多いでしょう。

振込先については、銀行口座を記載している寄付の依頼状も多いのですが、おすすめなのは、郵便振替です。理由は、銀行振り込みの場合、振込人についての情報が名前だけ通知されてくるので、領収書の送付先や寄付メニューの選択についての情報が得られないからです。その点、郵便だと、払込取扱票には住所・氏名・電話番号の記載欄があり、さらに「通信欄」を使って希望する寄付メニューの選択欄にチェックしてもらったりもできます。

8.封筒にも工夫を

%e3%81%bb%e3%82%9ast宛名の名前と住所が手書きで記載してあったら、「自分だけに送られた私信」のように見えますが、さすがにそこまでの手間はかけられませんから、印刷した宛名ラベルを貼りつけるというのが一般的でしょう。その場合でも、団体名や住所を印刷した差出人の欄に事務局長のサインを入れるといったことで、「特別感」を表すことは可能です。

最近は透明なフィルム封筒を使う団体も増えていますが、寄付の依頼に関しては中身が見えない通常の封筒が良いと思います。自宅に寄付の依頼の手紙だとわかるものが郵送されてきて、家族が、「ウチには、こんなところに寄付するお金なんてないわよ」と言うようなことも起こるからです。