寄付集め7つのステップ「Step 6 ファンドレイジングの実施」


計画をたてたら、それを実行せねばなりません。これまで5つのステップで周到な用意を積み重ねてきたのですから、「あとは実行するのみ!」ということです。計画の中には楽しいイベントなども盛り込まれているかもしれません。でも、実際には、たとえばデータ入力、発送作業、入金確認、手紙書きなど、大半はごくごく地味な日常的な業務の中で、ファンドレイジングは実行されていきます。

寄付集め7つのステップのも、いよいよStep6「ファンドレイジングの実施」。ここでは、ファンドレイジングに際して日常業務の中でおさえておきたい5つのポイントをあげてみます。

日本ファンドレイジング協会「認定ファンドレイザー必修研修テキスト」より

日本ファンドレイジング協会「認定ファンドレイザー必修研修テキスト」より

1.団体内の意思統一

常に、「何のために寄付を集めるのか?」について団体内で意思統一しておかないとなりません。単に活動資金を得ることだけが目的だとしたら、助成金や補助金でもいいですし、幸運にも年度はじめに大口の寄付があったら、「今年は、もういいや…」という気分になりかねません。あるいは仲間内で持ち寄った資金だけで足りるのかもしれません。そして、寄付集めは面倒くさくなってしまうかもしれません。

そこで、寄付してくれる人たちは社会の課題解決に取り組む自分たちの仲間で、その仲間が増えることで課題解決がすすむのだという信念と、金額に関わらず、寄付金は寄付者の思いと志とともに団体に託された貴重な資金なのだということを、団体内の共通認識として定着させて下さい。

2.責任者を置く

ここでいう「責任者」というのは、「目標額に達さなかったら責任を追及される人」ではなく、ファンドレイジングの進捗を管理し、成果をこまめに確認して団体内で共有できるようにする人という意味です。ファンドレイジングには事務局のいろいろな業務、会計、名簿管理、広報などが関わって成り立つものです。組織一丸となってファンドレイジングに取り組む際に、全体をコントロールする責任者が不在では計画倒れになりかねません。

3.新たに接触のあった人と継続的な関係を結ぶ

イベントに参加した人、問い合わせをしてきた人、職員が名刺交換した人、そういう新しい接触があった人と継続的な関係を結ぶことが支援者拡大には重要です。こうした関係構築についてはシステム化しておくといいでしょう。まずはデータベースへの入力。名刺や参加者名簿の入力はついつい後回しになりがちですが、それらの保管や作業過程を決めておく必要があります。接点のあった人には、まずは事務局側でメルマガ登録をして、「不要な場合は解除できます」との文言付きでもいいのでメルマガを送信するというのも一案です。

4.間接的な接点を直接的な関係につなげる

NPOは、ホームページ、オンラインコミュニティなどのネット上で、あるいは地域の支援センターにチラシを置いたりと、情報発信によって団体の周知を図っています。それを通じて団体を知った人は、大事な「支援者予備軍」だと言えます。チラシを見た人が希望すれば何かをプレゼントする、簡単に意見や問いあわせのできる仕組みをネット上に用意する、ホームページからメルマガ登録を簡単にできるようにする、といったことで直接的な関係性に導きましょう。

5.「寄付して下さい」と言うのをためらわない

名称未設定寄付のお願いは言い方を変えると「お金をください」ということになり、そこに抵抗感をいだいてしまいがちです。「ご協力をお願いします」と言えても「ご寄付をください」は言いづらいということを聞いたこともあります。そこで、あらためて寄付の意義を思い出して下さい。

寄付を集めることの意義は、寄付を募ることで活動と人々がつながり、支援の輪が広がることで問題解決が促進することです。これを寄付する側から言うと、自分が動いて社会を変えたり、社会のニーズに直接応えられなくても、確実に行動してくれる誰かに「お金」を託すことで社会を、未来を良くすることができるということになります。「社会のために役立ちたい」と考えている人はたくさんいます。そういう人たちに社会貢献の機会を提供するのだと考えると、寄付のお願いへの抵抗感は払拭されるでしょう。