10月になりました。今年も残すこと3ヶ月。そして、今年の12月には、日本ではじめての「寄付月間~Giving December~」がスタートします。各団体がこの「寄付月間」をファンドレイジングに最大限に活かすことは、団体のファンドレイジングをこえて、日本の寄付文化のさらなる醸成がもたらされるムーブメントになると思います。そこで、この「寄付月間」にファンドレイザーとして何をしたらいいか考えてみます。
この「寄付月間」というのは、多くの人に寄付の大切さと役割について気づいてもらい、寄付に関心をよせ、行動をするきっかけとなる月間です。
寄付月間について → http://giving12.jp/
今年、全国のNPO法人、公益法人、大学、企業、行政などで寄付についての有識者が集まって、「寄付月間推進委員会(委員長:小宮山宏三菱総合研究所理事長)」が立ち上がり、8月31日のキックオフイベントで正式リリースされました。なお、運営主体となる共同事務局は日本ファンドレイジング協会内に設置されています。
そこで、「寄付月間」に向けてファンドレイザーができる3つのこと。
1)寄付キャンペーンを行なう
「寄付月間」となる12月に向けて、その趣旨に合うイベント、シンポジウム、講演会、キャンペーンについては、公式認定企画として、寄付月間のウェブサイトなどで発信されるそうです。現在、その企画募集も始まっています。
こうした広報の機会を活かして寄付キャンペーンを行なってみてはどうでしょう。
12月はお歳暮、クリスマスプレゼントなど、感謝をこめて「贈り合う」時季。日本だとボーナスシーズンでもあり、そういう中で、もともと12月は一年の締めくくりに「幸せのお裾分け」の意味を込めた寄付が盛んになる時期です。古くから「歳末たすけあい募金」が集められたり、駅前での「救世軍」の募金活動が風物詩のようになっています。
これまでもNPOの多くが、12月になると、クリスマスにちなんだ寄付付き商品の販売や、寄付募集のキャンペーン、チャリティイベント等を実施しています。それらも、ぜひ、「寄付月間」の公式認定企画にご登録いただけたらと思います。
また、これまで12月に寄付のキャンペーンを行なってきていなかった団体も、この新しく始まる「寄付月間」のムーブメントのなかで、何か集中的な寄付集めのメニューを企画して実施されてはどうでしょう。
クラウドファンディングサイトなども、「公式認定企画」として、この「寄付月間」にあわせた特典や特集を企画中だと仄聞しています。そういうのも活用できたらいいですね。
2)寄付者や会員の集いを開催する
ファンドレイザーにとっての「寄付月間」は、まさに腕の見せどころといえる活躍の機会ですが、「寄付月間」のもともとのコンセプトは、キャッチコピーの「欲しい未来へ、寄付を贈ろう」と寄付者が「主語」になっています。寄付月間のリリースにも、「寄付の受け手側が寄付者に感謝し、また寄付者への報告内容を改善するきっかけとなること、そして多くの人が寄付の大切さと役割について考え、寄付に関心をよせ、行動をするきっかけとなることを目指した月間です。」とありました。
そこで、この期間に寄付者や会員を招いたイベント、「集い」のようなものを開催してはどうでしょう。団体から、支援への感謝をこめた報告をおこなうとともに、支援者が期待するもの、意見などを聴くワークショップのような「集い」。支援者の声から学ぶことは大きいものです。そして、12月は忘年会シーズン。ワークショップの後には、懇親会などで支援者間、支援者と団体の交流を深めることも、関係性を深めていくよい機会になると思います。
3)「寄付月間」をひろめる
「寄付月間」は、日本の寄付文化の醸成のためのムーブメントです。もし、特別なキャンペーンやイベントを行わないとしても、サイトやブログにバナーを設置する、「寄付月間」について発信する、あるいは「賛同パートナー団体」となって(登録無料・ただし申請手続きが必要)このムーブメントをひろめてください。
「寄付月間」は12月の一ヶ月間ですが、これを機に日常生活の中で寄付を身近に感じるひとが増えていくことが期待できます。日本寄付については「パイの奪い合い」ではなく、「パイ自体を大きくする」必要があると思います。そのためにも、「寄付月間」を身近なところからひろめていきたいものです。
そして、個人として・・・・・
私たち自身もこの「寄付月間」にどこかに寄付してみたいものです。寄付をすることで寄付者の気持ちもより深くわかるようになりますし、日本の寄付市場の拡大に寄付者側でも貢献できたらいいですね。
「寄付月間」の詳細は、下記のウェブサイトをごらん下さい。
http://giving12.jp/