クラウドファンディングを成功させる5つのポイント


最近、クラウドファンディングへの関心が高まり、NPOでも活用する団体が増え、成功事例もたくさん生まれています。でも、クラウドファンディングはファンドレイジングの「魔法の杖」ではありません。成功させるには、押さえておくべきポイントがあります。

まず、クラウドファンディングについておさらいをしてみましょう。

クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、不特定多数の人から通常インターネット経由で資金を調達することを意味します。

クラウドファンディングは、大きく分けて「購入型」「寄付型」「金融型」の3つに分類されます。さらに金融型を「株式型」、「融資型」、「投資型」に分けて5種類とする考えもあります。なお、日本では「金融型」は2014年に金融商品取引法が改正されたことで規制緩和され、今後の普及が期待されていますが、ここで取り上げるNPOにとってのクラウドファンディングは「寄付型」と「購入型」を意味します。

また、NPOのクラウドファンディングは、共感による支援が基本になっていることから、「購入型」といっても、リターン(資金提供の見返りに受け取るもの)の経済的な価値は重視されず、「感謝の手紙」、「報告会へのご招待」といったもので成り立つ場合が多々あります。さらに、発明家によるアイディア商品の製造やクリエーターによるアートプロジェクトの実現というような一般的なクラウドファンディングにおいては、目標金額に達成しないと資金は受け取れないというall or nothing 形式が原則ですが、社会的課題の解決に関するプロジェクトでは目標金額を達成しなくても集まった支援金を受け取ることができるという設定も少なくありません。

現在、NPOが社会的課題の解決に関するプロジェクトのために活用している代表的なプラットフォームを挙げてみます。

READYFOR?

ShootingStar

JapanGiving (旧称:JustGiving)
資金提供者が直接寄付を行う他、「チャレンジャー」として目標と寄付先を設定して自分自身が何らかの「チャレンジ」を行い、それに対して支援金を他者から集めて寄付することもできます。

FAAVO
地域活性化に特化して地域別のプラットフォームを提供しています。

Kibidango(きびだんご)

加えて、音楽、アート、アイデア商品等のプロジェクトを中心に、下記もNPOに活用されています。

CAMPFIRE

MotionGallery

MAKUAKE

さて、クラウドファンディングを成功させるポイントを5つにまとめてみました。

1)プロジェクトに合ったプラットフォームを選ぶ

上記に挙げたようにクラウドファンディングのプラットフォームはいくつもあり、それぞれに特色があります。それぞれのサイトを見てみると、どのようなプロジェクトを得意としているのかがわかります。

クラウドファンディングに挑戦すると決めて運営会社に申し込みをして審査を通ると、担当者がついて成功のためのアドバイスをしてくれます。ほとんどの運営会社は成功した際の手数料を運営資金としていますから真剣です。専用のマニュアル等も提供してくれます。だからこそ、プロジェクトに合ったプラットフォームを選び、担当者とともに二人三脚で進めていくことが重要なのです。

また、似たようなプロジェクトを応援した人が、サイト上で「こっちもいいな」と思って応援してくれる可能性もあります。その点でも、どのプラットフォームを選ぶかは大事なポイントです。

2)事前にファンを増やしておく

いくら「不特定多数から」といっても、自団体のことを全く知らない人がそうそう資金提供してくれるというものではありません。クラウドファンディングをするには、まずは一定数の支援者層、いわばファンがいないと効率の良い働きかけはできません。会員や寄付者にいたらなくても、メルマガ登録者でも、Facebookページに「いいね!」をしてくれた人も立派なファンです。団体と接点のある人を増やして、その人たちに団体のファンになってもらっていることが、次項にあげる「スタートダッシュ」のために重要です。

3)スタートダッシュに注力する

クラウドファンディングを実施すると決めたらば、開始前に既存の支持者、すなわちファンの人たちに告知をして、応援してくれるなら開始時にいっせいに資金提供をしてもらえるように依頼しておく必要があります。クラウドファンディングのサイトでは達成率を可視化していますので、一定の支援が集まると、それが呼び水となって、そこから初めて団体のことを知る人の支援につなげることができます。「人知れず・・・おもむろに開始する」というのでは遅いということです。

4)SNSを活用する

クラウドファンディングを成功へ導くためには、開始前からのファンとのコミュニケーションが重要だと書きました。そもそもがオンライン上の資金調達ですので、当然ながらオンライン上のコミュ二ケーションとの親和性が高いと言えます。そこで、TwitterやFacebookなどのSNS(ソーシャルメディア)によるプロモーション活動がとても重要です。団体のウェブサイトとSNSをつなげて、それぞれの利点を生かした情報発信を行いながら、クラウドファンディングのページへの誘導をしたいものです。

Facebookでは、あらかじめ団体のFacebookページを用意して、「いいね!」を集めてファン層の拡大につとめ、加えてクラウドファンディングのプロジェクトとしてのFacebookページを開設して、動画や写真を掲載することで情報提供と共感の獲得につとめたいものです。

またTwitterでは、実況中継的に達成状況などをこまめにツイートして、ハッシュタグやリツイートによる拡散を図るといいでしょう。

自団体のウェブサイトもきちんと整備しておかないとなりません。これまで接点のなかった人がクラウドファンディングのページから団体のウェブサイトを訪問することが増えるからです。団体の信頼性を伝えるためには事業報告・会計報告だけではなく、わかりやすくこれまでの実績をアピールしておきましょう。また、代表やスタッフの想い、支援者、受益者の声なども画像や動画とともに掲載しておくと共感につながります。もちろん、サイト内にSNSへ誘導するアイコン等の設置もお忘れなく。

5)終了後のコミュニケーションで関係性の維持を図る

クラウドファンディングが成功してもしなくても、支援してくれた人たちとの関係性は、ここをスタートとして深めていくことが大切です。

まずはできるだけ早くお礼を伝えましょう。事前に約束したリターン(資金提供の見返り)があるならば、それを約束通りに実行しなければいけません。それ以外にも、事業の進捗報告など関係性の維持に努めることが大切です。そのことが、次に別のチャレンジをする時にも応援してもらえる、あるいは寄付や会員になるといったよりレベルアップした形での支援者になってもらえるという道筋になります。

最後に、おススメ図書をご紹介します。
クラウドファンディングの概要を知るのに最もおすすめの本は「入門 クラウドファンディング」(山本純子)です。


また、ウェブサイトですが、「クラウドファンディングを成功させるためのナレッジメディア Anipipop」もとても参考になります。http://anipipop.com/

クラウドファンディングは、文字通り「群衆」の目にさらされながらのファンドレイジングです。周到な準備と考え抜いた方法で成功させれば、そのこと自体が団体の経験と自信に、そして対外的な信頼性の向上につながるものです。ぜひ、この新しい資金調達の手段にチャレンジしてみてください。