ファンドレイジングってなあに?


最初のブログを書くにあたって、今さらのように自分に問うてみました。

「ファンドレイジングってなあに?」

「ファンドレイジング」を直訳すれば「資金調達」。NPOが活動する上で必要となる資金を集めること…それが「ファンドレイジング」です。そしてNPOのファンドレイジングに関する業務を担っている人のことを「ファンドレイザー」と呼びます。では具体的にはどのようなことを意味しているのでしょう。

なお、この場合のNPOとは民間の非営利活動団体のこと。公益法人、特定非営利活動法人、社会福祉法人、学校法人…さらには、美術館、オーケストラなどのアート系の団体やスポーツ団体なども含めた広義の民間の非営利活動団体を意味します。

さて、「ファンドレイザーです!」と言うと、「まあ、寄付集め、ご苦労も多いのでしょうね。」といった会話があったりします。これは、NPOの「ファンドレイジング」といった場合、狭い意味では「寄付」を指すからです。

でも、一般的には、寄付に加えて、団体への支援の意思が込められた会費、そして助成金(行政からの助成金なら補助金と呼ばれます)といったNPOならではの資金の調達を意味します。

私は「ファンドレイジング」といった場合にはもっとも広い意味でとらえるのがいいかと思ってます。NPOの多様な財源、すなわち、寄付、会費、助成金(補助金)、事業収入、融資を自団体にとって最適なバランスで獲得していくこと、それがファンドレイジングに求められると考えます。文字通り、NPOが財源獲得のために資金を調達することの総称として使うのがいいと思います。

なぜなら、NPOが各種財源の獲得に取り組む際に、ただ、「寄付だけについて」考えるよりも他の財源も含めてトータルに考えていく方がいいと思うからです。たとえば、ある事業に共感して寄付をして下さった方がいたら、その方に他の事業についても理解してもらって、組織をトータルに応援して下さる会員になってもらう、あるいは何か事業をしていたら、その顧客になってもらう、そういう道筋が考えられるからです。助成金が得られたら、それをどう自主事業に活かすか、会員拡大につなげるか…そういう視点が、ファンドレイジングの成果につながるのではないでしょうか。

ところで、なぜ、「資金調達」ではなく横文字の「ファンドレイジング」という言葉をわざわざ使うのでしょう?

実は、母国語をこよなく愛するフランスでも、NPOの資金調達は「Fundraising」という英語で称されています。以前、日本ファンドレイジング協会が「ファンドレイジング・日本」に招へいしたヨーロッパファンドレイジング協会副会長のロバート・カワルコ氏は、「Fundraising(ファンドレイジング)は世界の共通言語。この言葉を世界のNPOのファンドレイザーが使って、その知見やノウハウを共有することで、NPOセクターが発展していく。それを目指そう!」と基調講演で話されました。なるほど・・・いかにも、問題意識、課題解決の方法、知見・資源などを「共有」することで社会を良くしていこうというNPOセクターらしい発想ですね。

ID-10051441そしてNPOにとって、ファンドレイジングとは単に活動資金を集めること以上の意義あるものです。

そもそもNPOの活動の本質は団体が単独で社会の問題解決に取り組むことではなく、その活動を通じて社会的な課題を人々に知らせて、みんなで社会をより良くしていくこと。資金を募る過程で、団体と人々がつながり、共感の輪が広がって寄付やボランティアといった支援者が増える、あるいはちょっとした生活習慣や他人への態度を変えるということが、社会を、そして未来をより良いものにするのだと思います。

たとえば、視覚障がい者の外出支援の団体が寄付集めを行っていたとします。ホームページやチラシや地域のイベントなどで、視覚障がい者のためのバリアフリーが不十分であることやそこから生じる困難や危険性等を説明して、活動の内容と必要性をきちんと伝えたとします。そこで、その団体への支援、ボランティアとして参加する、寄付をする、会員になるといった人がでてくるでしょう。でも、もし、直接その団体の活動を支援しなくても、街角で見かけた視覚障がい者をちょっとアシストする、あるいは、不注意にお店の前の点字ブロックの上に自転車を停めてた人がそうしなくなる・・・このような、日常生活の中での誰かの小さな行動の変化がその団体のミッション達成の一助になることも確かです。

そう考えると、NPOのファンドレイジングは、それ自体が団体のミッション達成のための大事な「取り組み」だって再認識させられます。

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