寄付集め7つのステップ「Step 4 コミュニケーション方法や内容の選択」


前々回の「Step 2」で、「誰を対象にして寄付を募るか?」という点について、既存の寄付者の分析と潜在的寄付者の見極めをしました。それをもとに、Step4では、依頼する相手に応じたコミュニケーション、すなわち「お願い」の方法を考えてみます。また、お願いするための各種ツールも用意しないとなりません。限られた資源と時間を有効に活かすためにも、ここで準備を整えてから寄付集めを開始したいものです。

1.どうやってアプローチするか?

ID-10064987寄付をお願いするときのコミュニケーションの方法は、お願いする対象によって違っていてしかるべきものです。たとえば、大口の寄付が期待される企業に支援をお願いする場合には、理事長や理事などが企業を直接訪問したりしますが、過去に少額の寄付をしてくれた人の家をいちいち訪問したりはしません。

そこで、「Step 2 既存寄付者・潜在的寄付者の分析」で作成した、団体の既存、あるいは潜在的寄付者をマッピングした「支援者ピラミッド」を活用して、各支援者層に合わせて、それぞれの平均的な寄付額も想定しながら、アプローチの仕方を計画してみましょう。ここに、 一例をあげてみます。

04階層別手法04ピラミッド2.コミュニケーションのためのツールの作成

寄付を募るためには、チラシ、パンフレット、ホームページ、Eメールなどのツールが必要となります。活動と支援の必要性を伝える訴求力のあるツールを用意したいものです。こうしたツールは、それぞれにその媒体としての特性がありますが、共通の留意ポイントが5つあります。

1)わかりやすさ

「わかりやすさ」には2つの意味があります。

まずは「内容のわかりやすさ」。活動への熱い思いを強調して独りよがりな論理展開になっていたり、専門用語を多用していては、「なんかよくわかんない…」と手放されてしまいます。

もうひとつは「見やすさ」です。伝えたいことがたくさんあると、たとえばA4の大きさのチラシに小さな文字がびっしり…などということになりがちです。余白やレイアウト、画像などを盛り込んで視覚的に馴染みやすい、見やすいものにしないと読もうという気になってもらえないでしょう。

2)統一感

団体パンフレット、ホームページ、イベント告知のチラシ、寄付募集のチラシなどいろいろなツールで対外的なコミュニケーションを図っていく際に欠かせないのが「統一感」です。ロゴ、イメージカラー、雰囲気などがバラバラだったり、しょっちゅう変えられていたら、団体自体が不安定なものに感じられてしまいます。いつも違った団体のように見えてしまって団体名を覚えてももらえないかもしれません。ツールのデザインはボランティアやプロボノの力を得て作成する場合も多いでしょう。そんな時に、「何でもいいので、ステキなもの作って下さい」ではなく、ブランドイメージにかかわる「見え方」の仕様については、他のツールなどとの統一感を持たせるようにきちんと伝えることが必要です。

3)右脳と左脳を刺激する内容・言葉遣い

人間の脳には右脳と左脳とがあり、右脳の主な機能は感性・感覚をつかさどることで、 左脳の主な機能は論理的な事柄をつかさどるとされています。人が支援しよう!と思い至るには、その双方に訴えかける必要があります。まずは社会の課題について「かわいそうだなあ」とか、あるいは活動について「いいなあ」と共感してもらい、そこから、その団体の活動の内容や実績などについて「なるほど」と理解してもらう必要があるからです。どのツールにも、感情を刺激するコンテンツと論理的なコンテンツが両方とも含めておくことが支援という行動を導きます。

4)興味のない人に興味を持ってもらえるように

長年、支援者に囲まれて活動をしていると、活動への無関心層の気持ちが理解できなくなってきます。しかし、支援者を拡大していこうと考えたら、これまで関心を持ってもらえなかった人に関心を持ってもらうことが必須です。では、どうしたらいいか・・・支援者になぜ団体を応援しようと思い至ってくれたのかをヒアリングしてみる、あるいは職員間でこの活動に参加しようと考えたきっかけを話しあうなどして、興味のない人に対してどう訴求していけばいいのかを見いだしてください。

5)顔の見える団体になる

「人は人に寄付する」と言われます。どんな素晴らしい出来映えのツールよりも、日々の活動に真剣に取り組んでいるスタッフの姿が「応援したい!」という気持ちを引き出します。また、困難とたたかう受益者の姿にも「力になりたい!」という気持ちになります。寄付者の応援メッセージやボランティアの活動する姿なども、「こういう人たちが応援しているなら自分も…」と考えたりします。ぜひ、活動に関わる人たちの姿を写真やメッセージなどでツールの中に盛り込み、「顔の見える団体」になりましょう。

そして、何よりも自分自身がツールだ、と考えて下さい。出会った人に言葉で伝える、SNSで情報発信する、送付物にメッセージを手書きで書き添えるといったことの積み重ねが団体への支援につながるはずです。

日本ファンドレイジング協会「認定ファンドレイザー必修研修テキスト」より

日本ファンドレイジング協会「認定ファンドレイザー必修研修テキスト」より