寄付者へのお礼の手紙7つのポイント

「寄付者へのお礼はすればするほど良い」と言われます。WEB上での寄付の際に自動的に寄付受け取りのお礼返信メールが配信されるのというのではなく、万事がメールの時代だからこそ、寄付へのお礼は「手紙」で届けたいものです。

繰り返し寄付をしてもらうためにも、寄付に対するお礼は寄付者との関係性の構築のための大切な節目です。今回は、そのお礼状の書き方について7つのポイントをあげてみます。

なお、寄付を団体のウェブサイトなどのネット経由で寄付してもらう場合は、「お申し込みフォーム」に入力してもらうことで個人情報が得られますが、寄付キャンペーンのチラシなどを手にした人が団体の銀行口座に送金した場合、振込人のカタカナ名しかわからないのでお礼のしようがありません。「匿名希望」の場合は仕方ありませんが、そういう方達とも「関係性の構築」がはかれるように、チラシやパンフレットの寄付募集には、「領収書の発行、今後のお知らせ等のために、ご連絡ください・・」といった記載もしておきましょう。

では、心に届くお礼状を書くときの7つのポイントです。

1.できるだけ早く送る
寄付をした人でも、その気持ちがだんだん冷めてきて、「寄付しなくてもよかったかな・・・」などと考えたりすることもあるでしょう。そうなる前に、あるいは、そういう気持ちを払拭するためにも、早々にきちんとしたお礼状を届けなくてはなりません。

では、どのくらいの「早さ」でお礼状が届けばいいのでしょう?マナー本では、お祝いや贈り物をいただいたときに出すお礼状は、「早ければ早いほどよい。遅くとも2−3日以内に出すべし。」とされていますが、寄付へのお礼もそれと同じだと思います。

なお、「お礼状と領収書」を同時に送れたらベストですが、入金確認や会計処理をともなう領収書は後日あらためて送るとして、まずはお礼状を出してください。お礼状の後の領収書送付も、「何度してもいい」お礼のひとつになりますし。

2.お礼の言葉はくりかえす
目的は感謝を伝えて、寄付者に「そう、それなら寄付してよかった」と思ってもらうこと。感謝の言葉には「お礼申し上げます。」「感謝しています。」「ありがとうございます。」など、いくつもの表現があります。それらを文面に重複しないように多々盛り込むことで感謝の念が強く伝わります。

3.パーソナライズ
大口寄付や理事などが個別に依頼して寄付された場合は、それに応じた内容で個別に書くのは当然ですが、一般的な寄付であっても、文面に個人名をちりばめるだけでも、「私に感謝してくれている」と感じてもらえます。例えば、「ご寄付によって・・・」ではなく、「xx様のご寄付によって・・・」というように。宛名「ご寄付くださった方へ」などというのは論外です。寄付者はデータベースに入力するので、定型文に差し込み印刷機能を使えば大した手間にはなりません。

また、寄付した人は「ちゃんと届いたかな?」という一抹の不安を感じているので、文中に受け取った金額をきちんと書くことも必要です。

4.手書きを加える
印刷物に加えられた「手書き」の力は気持ちを伝えるときに大きな力を発揮します。プロジェクトへの寄付で、「ありがとうございます。ご期待にそうようがんばります。xx担当xxxx」と書かれてあったら、応援したかいがあると感じてもらえるでしょう。

また、文面を完全にパーソナライズするのはあまりにも手間がかかり現実的ではありませんが、イベントで挨拶した、郵便振替の備考欄に応援メッセージを書いてくれた、スタッフの知人だといった場合、欄外に手書きのメッセージを書き加えることで対応できます。

ただ、「本人のふり」は不誠実になるのでやめておくべきです。前に、ある団体の年配の男性の代表者の署名付きの手書きメッセージを受け取ったことがあるのですが、見るからに若い女性の筆跡で、前に受け取った時の「署名」ともかけ離れていて「・・・?」と感じた経験があります。

5.寄付が有効に使われることを明記
この寄付によって社会の何が変わるのかを伝えるとと、寄付者はあらためて、「社会に貢献できた」という満足感を得られます。大事なのは「あなたのおかげで実現できる」ということを伝えることです。「私たち、がんばってます!」や「私たちがんばります!」ではありません。主役、もっと言えば「主語」は寄付者とその寄付ということです。

6.確定申告で寄付控除ができる場合は、その旨を付記
寄付控除についての情報は、寄付者へ伝えるべき大事な情報であると同時に、たとえ、その寄付については活用されなくても、将来、大口寄付や遺贈といったことを考えてもらう際の判断基準にもなるので必ず付記して下さい。ただし、これは本文に入れるというより、下部に付記する感じで十分です。

7.ビジネスメールじゃなくて「お手紙」
書き出しに時候の挨拶をいれて、結びでそれを受けたメッセージを入れるのも、心のこもったお礼状らしくて良いかと思います。たくさんのビジネスレターを目にする中で、「お礼のお手紙をもらった」との印象にもなります。例えば、「さわやかな秋風が吹く季節、xx様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。」で始めて、「これからの季節、朝夕冷え込んでまいりますのでお身体にお気をつけください。」としめくくるというように。

こういうのはネットなどで文例がたくさん紹介されています。私がいつも参考にしているのが下記の「ProPotal」です。(大いに活用しています。)
http://www.proportal.jp/links/kisetu_index.htm

各月ごとにたくさんの文例が「書き出し」と「結び文」にわかれて出ていますので、組み合わせることができます。この「ProPotal」、いろいろな用途別文書文例が豊富に紹介されているのでおススメです。http://www.proportal.jp/index.htm

最後に、もうひとつ!
このお礼状には絶対に「もっと寄付して」といったメッセージを入れないこと。贈り物を受け取った時に、「次はアレが欲しい」と言ったら、もうプレゼントしてくれなくなるでしょう。それは、あらためて、別の機会にすべきです。たとえ、1ヶ月後にご支援への感謝とともに「新しいお願い」をするとしても。