3つのサイトから学ぶオンライン寄付の極意


onlineオンラインで商品やサービスの支払い決済をすることが一般的になった現在、寄付や会費についてもオンライン決済を導入する団体が増えています。

では、ファンドレイジングに適したウェブサイトとはどんなものなのでしょう。今回は3つの団体のサイトを引用させていただいて、そこからオンライン寄付の極意を学びたいと思います。

1.トップページは寄付ページへの誘導を最優先に
(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン http://www.savechildren.or.jp/ )
サイト来訪者のランディングページを寄付のページにするようにトップページをデザインすることが大切だということがわかるものです。

ランディングページ(着地ページ)とはサイト来訪者を飛行機の着陸にたとえた言い方です。着陸した飛行機を適切な駐機場に誘導するように、適切なページに誘導することを意味します。

NPOのトップページは、団体概要、活動紹介、イベント告知など掲載したい内容が多くて、とかく「盛り沢山」になり、寄付の依頼も「その一部」になりがちです。トップページをスクロールした下の方に寄付ページへのリンクボタンを設置するというのでは、到底、そこまでたどり着いてはもらえないでしょう。

寄付ページへのリンクボタンを上部の目立つところに設置するといった工夫はもちろんですが、トップページの上部に大きな写真などを掲載して、そこをクリックしたらすぐに寄付ページに飛ぶようにしている、よりファンドレイジング志向の高いサイトをよくみかけます。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのトップページはこんな感じです。

セーブ1最初に開いたパソコンの画面のほとんどが4つの寄付メニューを紹介する大きな画像で、ここをクリックすると各寄付ページに行けます。

そもそも、団体の取組む社会の課題に関心を持って、あるいは団体自体に関心を持って検索してアクセスしてくれるのですから、その人たちを「潜在的寄付者」とみなして、ランディングページを寄付ページすることは道理にかなっています。

なお、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは団体名で検索すると検索サイトに団体名がリスティング広告で掲示され、それをクリックすると、トップページではなく、寄付ページに直接「ランディング」するように設定されています。

セーブ2

2.寄付のページに共感をよぶ写真を掲載
(フローレンス http://www.florence.or.jp/ )
「支援しよう」と思って寄付のページに「ランディング」すると、そこには淡々と寄付メニューが並んでいて、決済画面へのリンクがはられているような「文字だけ」の殺風景な事務的なページになっていることが多々あります。これでは、せっかく共感して支援しようと思った気持ちが冷めてしまうのではないでしょうか。寄付ページにこそ、共感を呼ぶ写真やメッセージを掲載することが求められます。

例えば、フローレンスが新しく取組む「赤ちゃんを虐待死から救う」プロジェクトへの寄付募集。トップページの上部と同じ写真が寄付ページに(ここではクラウドファンディングのページにリンク)大きく掲載されています。この赤ちゃんの写真を見ることで、寄付への思いが増幅されます。

フローレンス

それにしても、この写真、ごく普通の、まるで素人が撮影した写真のようですが、強く心に訴えかけるものがあります。私は、この赤ちゃんの眼差しがしばらく忘れられませんでした。「人は人に寄付する」と言われています。まさに、この子のために!という気持ちになります。

なお、この写真に限らず、「カメラ目線」というのは、心に強く訴えかけてくるものだと思います。

3.マンスリーサポーターへの誘導
(かものはしプロジェクト http://www.kamonohashi-project.net/ )
クレジットカードで毎月一定額を寄付してくれるマンスリーサポーターは、長い目で活動を応援してくれる支援者として、しかも安定的な収入を提供してくれる、ドナーピラミッドの上位に位置づけられる人たちです。そこで、寄付メニューの中にマンスリーサポーターを用意したいものです。

かものはしプロジェクトでは、トップページの「今すぐ支援する」をクリックすると、一般寄付のメニューを「寄付会員になって継続的に支援(月々1000円から)」と「今回のみ自由な金額で寄付する」の2つのタブで選べる画面が表示されますが、そのデフォルトがマンスリーの方に設定されています。

かもの

最初の支援から継続的な支援を得るのは容易ではありませんが、オンライン寄付ならではのマンスリーサポーターへの導線は「太め」に用意したいものです。

最後に・・・「寄付白書2015」の調査結果によれば、「寄付をする時に何を重視しますか?」という問いへの答えは、1位が「寄付の使い道が明確で有効に使ってもらえること」、2位が「活動の趣旨や目的に賛同、共感・期待できること」です。そして、第3位が「寄付の方法がすぐにわかり簡便なこと」だそうです。オンライン寄付は、銀行振込などに比べると「簡便」な決裁方法ですが、「寄付の方法がすぐにわかること」も重要だということです。

共感してくれた人に寄付というアクションをおこしてもらうためには、寄付者の立場に立って「寄付がしやすい」、「寄付をしたくなる」サイトを用意する必要があります。

寄付をたくさん集めている団体のサイトからは学ぶところがたくさんあります。自団体のサイトがファンドレイジングのためにきちんと機能するデザインになっているか、見直してみてはどうでしょう。

オンライン決裁については、下記もご参照ください。NPO向けの決裁システムのリストも掲載しています。
「オンライン決裁の導入」http://fundraising-lab.jp/archives/750