すぐに寄付をしてもらうために


 

ID-10095092寄付をお願いして、「素晴らしい活動ですね、心から応援します。私も協力させてください。」と言われたのに、「では、近いうちに・・」というような言葉で終わってしまい、結局、ご寄付いただけなかったという経験、よくあります。では、すぐに寄付をしていただくにはどうしたらいいのでしょう。

熊本地震では、地震から約2週間で57億円以上の義援金が寄せられたそうです。
http://www.asahi.com/articles/ASJ525FXNJ52TIPE01W.html
(朝日新聞)

それに加えて、被災地支援活動を行うNPO団体にも多くの寄付が寄せられています。たくさんの人たちが「すぐに寄付しよう!」と思った結果です。

 熊本地震だけではなく、国内外で大きな災害が起こると短期間にたくさんの寄付が集まります。また、高度な医療を海外で受けるための「xxちゃんを助ける」といった募金でも短期間に目標額、時にはそれ以上の募金が寄せられたりします。「緊急支援」といった語で表されるように、多くの人が、「緊急性」を感じて寄付をした結果です。

他方、どのNPOが取り組んでいる社会の課題にも「待ったなし」の現実があります。貧困ゆえに教育が受けられないまま育っていく子どもたち、紛争地帯から逃れた難民、破壊されていく自然環境、絶滅の危機にある動物・・・今、この瞬間にも解決策の実行が求められ、その解決に邁進しているNPOがたくさんあります。

しかし、私自身、そういう団体から寄付を募られて、寄付をしてもいいと思ったにもかかわらず、「じゃあ、そのうちに・・・」と思ったり、「今日のところはチョット・・・」と先延ばしにして、場合によっては寄付しないままになってしまうことも多々あります。

ファンドレイザーとしては、「なぜ?」と、もどかしさを感じる場面です。そこで、「すぐに寄付をしてもらう」ためになにをしたらいいのかを考えてみます。

1.緊急性をきちんと伝える

①まずは、「待ったなし」の状況であることをきちんと伝える
災害発生時にテレビ報道等で、「今、起こっていること」を知ることが「今、すぐに寄付をしないとならない」という気持ちを生ぜしめます。どれだけの建物が壊れた、今、何人の人たちが避難所生活を送っている、という現状を知ることで緊急性が理解されます。

そこで、自団体が取組む社会の課題が「待ったなし」の状況であるなら、それをきちんと伝えなくてはなりません。それには、その状況を表す数値、そして、このまま何もしないとどういう結果になってしまうかを伝える必要があります。

「こういう活動を行っています。御協力お願いします!」と言うだけでは、「そうですか・・大変そう・・がんばってね」で終わってしまいます。

② 差し迫った状況を可視化すること
災害被災地の報道で、皆の心に残るのは、被災された人数、台風のヘクトパスカル値や地震のマグニチュード値ではなく、被災者の姿や、救援・支援活動をする人たちの姿と声です。

「待ったなし」の状況を伝えるためには、児童労働を強いられている幼い子ども達、10年前には美しい田園風景を描いていた棚田が今や見る影もなくなっていることを悲しむ年老いた農家の人、殺処分を待つ犬・・というような、「“今”、私がする寄付が何を救うのか・・何を変えられるのか・・」を具体的なイメージで感じてもらう必要があります。「百聞は一見にしかず」です。

③ 「今、あなただからこそ」ということを伝える
これは、個別、あるいは対象を絞って支援を募る際のことです。

たとえば、働く女性の子育て支援について、男性経営者に対して寄付を募るなら、「まず、xxさんにご寄付の依頼をさせていただくことにしました。男性経営者のxxさんが子育て支援に寄付され、それを伝えることで、社会全体でこの課題の解決を図ることの意味を示すことが出来たらと考えました!」といった訴求が出来るのではないでしょうか。

2.期間を区切る

「そのうちに」とか「じゃあ近いうちに」と思いがちな時に、「この寄付キャンペーンはx月x日までです。」といった期限を設けることで、「それなら、すぐに・・」と思ってもらえます。しかも、目標金額を示して、「あとxxx円でxxが出来るようになります。」といったことが可視化されると、その残り少ない機会を逃してはならないという気持ちになって頂けるでしょう。

クラウドファンディングで成功している事例を見ると、具体的な目標をかかげて、短期間に寄付を募っているケースが多いのも同様の理由からだと思われます。

3.すぐに寄付のできる「方法」を用意する
せっかく、「今すぐに寄付しよう」と思っても、すぐにできる方法がなければ寄付は出来ません。

活動説明の機会となるイベントで参加者に支援を訴えても、寄付の方法が伝えられなければ、わざわざ問い合わせまでして寄付しようと思う人は少ないものです。そのためには、会場に支払いの出来るデスクを用意しておく必要があります。また、最近は、カード決済の端末をレンタルして、イベント会場で寄付や会費のクレジットカード決済を行っている団体もあります。「今、すぐにでも・・」という寄付者の気持ちに応えなくてはなりません。

メルマガ等で寄付キャンペーンを伝えても、関連HPへのリンクが文章にまぎれて見つからない、HPを見ても寄付の手続きのページがどこなのかわからない・・というのでは、寄付していただけません。

ID-100144434ひとりの人があらゆる社会の課題の解決に寄付というカタチで協力することは不可能です。その人が共感するもの、優先度には個人差があって当然です。それでも、自団体の取組む社会の課題の解決が、社会にとって、何よりも受益者にとって「待ったなし」であること、そして、「今、あなたの支援を必要としている」ということを伝えるのは、ファンドレイジングにおいて欠かせないことだと思います。