会員継続率を高めるためにやるべき3つのこと


NPOにとって会員からの会費は、使途が限られない使い勝手の良い資金であり、また、継続を前提とすると予算化もできる安定性の高い資金です。そして何よりも、「長い目で団体の活動全体を応援しよう」という思いの込められた、きわめて支援性の高い資金です。また、総会での議決権がつく会員なら、団体の運営自体にも参画してくれる、いわば心強い「仲間」だと言えます。

その会員制度がうまくいっているかを測るひとつの指標が「継続率」です。会員継続率は一般的に7割程度だと言われています。会員数を増やすには新規会員獲得も大事ですが、何よりも現会員の継続率を高めなくてはなりません。そこで、継続率を高めるために何をしたら良いか、最低限するべき3つのことをあげてみます。

1.会員限定コミュニケーション

新規会員の入会の動機は様々です。もちろん、団体の活動を知って大いに共感
して入会する人もいるでしょう。一方で、「知り合いに頼まれて・・」「会員特典を得たかったから・・」といった理由で入会する人も少なくありません。

ID-100178839 そういう消極的な理由(?)で入会した人に「会員になってよかった、来年も続けよう!」と思ってもらうためには、団体からも継続的なコミュニケーションをとる必要があります。具体的にどのようなことができるか2つあげてみます。

1)入会者キットの送付

新規入会者には、入会のお礼と同時に、あらためて団体の活動概要や実績、そしてビジョン等を表すリーフレットなどを送りましょう。この時、いつもの団体紹介パンフと昨年度の事業報告書だけを送るというのでは足りないと思います。特別なものを用意できなくても、それらに加えて「次の5年間で実現したい10のこと」というような、会員としての継続的な支援が何を生み出すのかを示したレターや、他の会員からのメッセージなどを加えて2つ折のクリアフォルダーに入れるだけでも立派な「入会者キット」になります。「会員証」も「会員になった」と自覚してもらうためには良いアイテムです。会員証を持参すると、イベント参加費が割り引かれる、会員特別席に座れる…というような特典を再認識してもらうこともできます。

こうした「キット」によって、消極的な理由で入会した人にも、会員としての自覚、帰属感、特典感、ステイタス感などを感じてもらうことになり、会員継続の第一歩となります。

2)会員対象の広報

イベント案内でも寄付依頼でも、会員には一般の人とは違う広報をしてください。これらは会員対象のメルマガや会員向けニュースレターのような定期的な媒体でもできますが、大切なのは「一般に先立って、まずはあなたに…」とか「会員のあなたにだからこそ、お願いしたい」というような限定感を示すことです。

こうした広報を通じて会員であることを認識し続けてもらえ、さらに会員であることを意気に感じてもらえたら何よりです。継続のみならず、寄付やボランティアという関わりも生まれ、関係性が高まることが期待できます。

2.継続依頼

会員のほとんどは自分の会員期限を覚えていたりはしません、そこで、会員期限が切れる前に継続の依頼をせねばなりません。それも、1回だけではなく、何回か適切なタイミングで通知とお願いをする必要があります。

ここでは団体が会員に対して5つのステップで行う例をあげます。

1) 1ヶ月前
継続依頼の書状を郵送する。「人は人に寄付をする」と言う原則にのっとって、印刷した書状に代表か事務局長が手書きで一言、支援への感謝のメッセージを書き添え、事務局スタッフの写真入り近況報告も同封。必要事項を印字した振り込み用紙も同封しましょう。

一点留意したいのは、このリマインドは、すでに早めの納金をした人にも送られる可能性があるので、行き違いになる可能性について書いておくこと。その場合でも、お礼メッセージや近況報告等があれば、単なる督促状ではなくなるので好意的に受け入れられるでしょう。

<継続の入金を確認した場合は「受領確認とお礼」を忘れずに!>

 2) 期限終了日
メールで再度のお願い。             ID-10022552

3) 期限終了日から1ヶ月後
メールで再度のお願い。

4) 会員特典失効日
会員特典の失効が会員資格喪失日より前に設定されている会員制度なら、この次点で失効についての確認をメールで通知します。

5) 会員資格喪失日
ここが最終確認(依頼)となるので、メールで十分ですが、5年にわたるような長年の会員だった場合等は電話かけや往復はがき等を用いて、単に通告するだけでなく、その理由を尋ねてみるのも良いかもしれません。

3.オンライン決済とマンスリー会員制度の導入

忙しい日常生活の中で会費を納付することが面倒で、ついつい継続しないままになってしまうということもあり得ます。そこで、クレジットカードや口座自動引き落としといった決済方法を導入する団体が増えてきています。

議決権の伴わない賛助会員なら、毎月引き落としのマンスリー会員の制度も継続率を向上させます。年会費が1万2千円だとして、毎月千円の引き落としなら、負担感も少なく、しかも解約しない限りは継続されることになります。私の経験からの実感値ですが、一般に7割くらいと言割れている継続率がマンスリーだと9割くらいに上がります。

(余談かもしれませんが、将来的にマンスリーの導入の可能性があることを考えると、会費は「12で割れる金額」がいいですね。そうしておけば年額を変えないで移行できますから。)

オンライン決済などウチは無理だ…と思われるかもしれませんが、NPO向けの決済代行サービスも各種登場してきています。

たとえは、日本財団のCANPAN決済サービスは、クレジットカード決済・コンビニ決済・ペイジー決済で寄付や会費集めができるサービスです。活動歴が1年以上で情報開示をきちんとしている団体なら、クレジットカード決済のマンスリーやイヤリーといった継続的な課金も初期費用ゼロ、しかも低コストで行えます。細かい条件等は下記でご確認いただけますので、いちど検討なさってみてはいかがでしょう。

■CANPAN決済サービス■
http://kessai.canpan.info/services/

ID-100287081余談になりますが、オンライン決済は寄付集めにも欠かせない時代が来ていると思います。支援者は生活者…昨今のようにオンライン決済でのお買い物が普及してくると、「寄付や会費だけのために銀行に行く、郵便局に行くのは面倒だ」と思われてしまうのではないでしょうか。

そして、「やるべきこと」の3つを効率よく行うためにはデータベースの整備も必要です。丁寧なコミュニケーションを図るには人手と時間がかかります。それを解決してくれるのが支援者データベースDRM:Donor Relationship management。単なる「名簿」ではなく、個人について過去の支援履歴やコミュニケーション履歴も包括的に管理でき、たとえば会員についてなら継続率、新規入会者数などの変化を簡単にレポート機能で把握できます。こちらも、NPO向けに無料・廉価でサービスが提供されているので、そういうものも活用なさってはどうでしょう。最後に下記に2例をあげておきます。

■セールスフォース■
http://social-force.jp/about/

■マイクロソフトダイナミクスCRM■
http://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=4020