会員と寄付者ってどう違うの?


会員も寄付者も団体に対する支援金の提供者という意味では同じように感じられますが、その違いはどこにあるのでしょう。継続的な寄付ではなく、あえて会員になる方々が期待されていることを考えてみたいと思います。

まず、会員のなかでも、NPO法人や社団法人で「正会員」いう呼ばれ方をするような「社員」は団体の総会において議案を提出したり、その議決に参加して議決権を行使することができます。いわば団体の運営に関する最高意思決定者であるということで、寄付者とはその役割において大きな違いがあります。

一方、議決権のない「賛助会員」などと呼ばれる人たちは、繰り返し寄付をする寄付者との違いが曖昧です。実際、特別に使途を指定することなく毎月自動引き落としで寄付をしてくれる「マンスリー・サポーター」は「寄付会員」と呼ばれることもあり、会費を月額引き落としで支払う「マンスリー会員」とあまり違いがないように見えます。

そこで違いをあげるとすれば、寄付者が団体の取り組む活動への共感から寄付をするのに対して、会員は活動への共感に加えて、団体そのものを支援しようとする、いわば団体のファンのような人たちだという点ではないでしょうか。また、ファンにファンクラブがあるように会員というステイタスで、団体と、あるいは会員同士でつながる連帯感(仲間感)を抱いているように思えます。

もちろん、イベント参加費の割引といった「会員特典」などが設けられている場合には、その特典を目的に入会する場合もあるかもしれません。だだ、特典による「お得感」だけでは、割引目的を果たしたら退会してしまうことになりますし、団体側も経済的な負担のある特典を際限なく拡大するわけにもいきません。

そこで、会員の満足度をあげて継続率を高め、さらに新規会員を招き入れて会員数を増やすには、連帯感(仲間感)の生まれるような場の提供が必要になってきます。具体的には、理事や事務局スタッフも交えての会員の集いやソーシャルメディアを活用した交流などで所属感とメンバーであることを認められているのだという気持ちになれることが大切です。オープンなイベントで会員特別席などを設けるといった配慮も喜ばれるかもしれません。

これは、会員であるがゆえに、心理学者マズローの欲求5段階説でいうところの「生理的欲求」「安全の欲求」の上位にある「所属と愛の欲求」と「承認の欲求」が満たされるということです。そして、団体の活動の成果やスタッフの努力がきちんと伝えられていたら、その団体の会員として社会の課題の解決に参画しているという実感を得ることができるでしょう。それは、先のマズローの欲求5段階説の最上位の「自己実現の欲求」をも満たすことになり、会員でいることを大きな喜びと感じてもらえるに相違ありません。

さて、会員と寄付者の違いを考えてきましたが、以前、あるNPOの代表が「日本のNPOは会員制度を重視しすぎていて寄付が集まらない」と話されていたのを思い出しました。私も団体職員として働いていた時、活動を応援してもらえそうな人を見つけると「会員としてご支援下さい!」というお願いばかりしていました。確かに、継続的に入ってくる会費は財源として安定的で、何よりも活動の仲間が増えるということが実感できて嬉しいものでした。

ただ、支援者の中には団体の仲間になりたいのではなく、ある特定の社会課題の解決を願って、それにはこの団体に任せてみようという気持ちで寄付をする人もいるのではないでしょうか。そういう人は先述の「所属と愛の欲求」とか「承認の欲求」、そして団体を通じた「自己実現の欲求」などを求めているのではなく、寄付金がどのような成果を上げるかということを一番重視しているのだと思います。成果があると思えたら多額の寄付もいとわないが、会員にはなりたくない考えているのかも知れません。そのような人に、特典や連帯感(仲間感)を示しながら「会員になって下さい!」というアプローチだけをしたら、支援しようという気持ち自体が失せてしまうかもしれません。

「支援しよう」という気持ちにもいろいろなタイプがあるのだと思います。その気持ちをくみ取りながら、相手に応じたコミュニケーションをとって、会員になってもらう、あるいは寄付をしてもらうという選択肢を活かして支援を募ることが大事なのだと思います。Untitled 2