助成金申請書に欠かせない8つの項目


「この団体に助成したい」と思わせる申請書を作成することが、助成金獲得には必須です。私自身が助成金や補助金の審査員をした経験から、「8つの項目」をきちんと盛り込んで作成することが採択確率を高めると考えています。その項目とおさえておくべきポイントをまとめました。審査員をうならせるような申請書に挑戦してみて下さい!

なお、下記の8つの項目のうち、事業名、目的、計画、予算などは申請用紙に項目が設けられているのが普通ですが、他の項目については、申請用紙に項目がなくても適宜に分けて小見出しを付けるなどして記載すればいいでしょう。

a0008_0018601)事業名
2)背景
3)目的
4)目標
5)計画
6)成果
7)終了後の展開
8)予算計画

では、各項目のポイントをまとめてみます。

1)事業名

  • 事業名を見ただけで事業内容がわかるものにする。膨大な数の申請書類を読 まなければならない審査員が、タイトルだけでも「これをすることで、この課題が解決する(こうした効果が出る)」ということが一目でわかると、申請内容への理解が早まるので。「(ア)による(イ)事業」といった構成で、(ア)には事業でやることを簡潔に表す文言を入れ、(イ)には何を実現するかを「…推進事業」「…普及事業」「…啓発事業」「…育成事業」というように表記。
  • 事業名は「キャッチコピー」ではないということ。「ワクワク・ドキドキ!みんなの町プロジェクト」みたいなのは申請書には不向き。

2)背景

  •  事業が必要とされる根拠となる社会的な課題を書く。各種調査結果などのデータを、出典と数値を引用して書くことで客観的な根拠を示す。
  • 自団体が「めざす」ことの意味を実績などをあげて明記する。
  • 同一分野、同一地域に類似する事業があるとしたら、先駆性・独創性をアピール。
  • 資金不足は助成申請の理由にはならない。

3)目的

  •  事業目的は、助成金で何ができて、それによって、何がどう変わるのかを書く。(解決策とその実現性)
  • ここではモチベーションの高さを感じさせること。
  • 事業の成果が助成元にも良い効果をもたらすことを示すとベター。

4)目標

  • この事業によって実現することを具体的に書く。受益者数や参加者数などの数値目標を盛り込むこと。
  • 目的は抽象的、目標は具体的。助成金とは離れますが、簡単な例をあげるとしたら、目的が成人病予防で、目標が5kgダイエットというようなもの。

5)計画

  • 目標達成のために、いつ、どこで、誰が、何をするのか、具体的に書く。
  • 特に、どういう人が関わるのかを明記することで実現性を感じさせること。

6)成果物

  • 形のある成果物を出すこと。イベントなどで形が残らないものでも、シンポジウムなら発言録や写真を、オープンなイベントでも参加者の声や写真などをホームページに掲載する、あるいは簡単な報告書にする。
  • 助成元も成果を支援者や社会に伝える必要があり、「形として社会に公開できるもの」を残すことが求められる。

7)終了後の展開

  • 継続的にその事業を自主事業として実施出来ればベスト。その場合は、財源についても示すこと。
  • 単発的事業の場合は、今後の団体の事業にどう生かすかを明記すること。
  • 社会への波及効果を示すこと

8)予算

  • 助成元のルール(科目・上限額)に合わせて、それぞれの積算根拠をできるだけ詳細に備考欄などに記載すること。
  • 計上可能なら、「雑費」や「一般管理費」も計上。
  • 細かい出費を計上し忘れないように。
  • 無理のない予算立てをする。(出来ないことはやらない。)

なお、申請書を書き終えたら、すぐに提出するのではなく、きちんとチェックを行いましょう。その際のポイントは以下の3点です。

1)事業内容、計画、予算がきちんと連動しているのかを確認
2)文章の推敲、誤字脱字チェックのための複数名による読み合わせ
3)活動の専門外の人にも読んでもらう

内容、計画、予算に食い違いがあると、審査に通らないのは当然です。そのためのチェックは何度も行わなければなりません。また文章の内容が独りよがりのものになっていないかどうか、複数名でチェックすることで客観的な文章が書けているかどうかが確認できます。

審査員は必ずしも申請内容に関しての専門家とは限りません。基礎知識があまりない人にもわかるような書き方をしているかを確認するために、団体外の人に読んでもらうこともいいでしょう。専門用語には注釈をつけるといった親切な書きぶりは、審査員にも好感をもたれるものです。

助成金は団体の事業を発展させるために有効なものです。ぜひ、審査員をうならせるような申請書を書いてください。

なお、助成金については、日本の民間助成団体に関する唯一の要覧「助成団体要覧」が参考になります。1,280におよぶ助成団体の事業概要と助成事業内容がまとめられています。助成に関する最新の統計などもを収録されていて、助成金を獲得していこうと考えるNPOには必携の一冊です。