助成金が不採択になった時にする5つのこと

 

助成金申請をした結果が「不採択」になった時…何をしますか?不採択通知書を破る!(わずかに残った理性でコピーをビリビリ)、審査員の顔を思い浮かべてイラッとする、世の不条理さに涙する、上司に伝えづらくて早退・・・実はこのうちの一つを除いた全部が私の経験です。一生懸命考え抜いて仲間と力を合わせて申請した結果がダメとなれば、その瞬間大きく動揺するのは仕方のないことです。でも、それだけでは本当に努力が水泡と化してしまいます。そこで、次につなげるためにするべき5つのことをまとめました。「転んでもタダでは起きない」心意気です!


では、具体的に何をしたらいいのでしょう。不採択通知を受け取った直後から順番に考えていきます。

1.審査をしてくれたことへのお礼状を出す。

多くの不採択通知は事務的な内容でそっけないものですが、ここは「大人の対応」として返信しましょう。実際、申請を出すのも大変な作業ですが、審査も決して安易になされているのではなく、とりわけ事務局は公正な審査が行われるようにと、公募から申請受理、審査会の運営などに最善を尽くしています。また、決定後にも、個人的に惜しいなあと思われる案件がたくさんあったりします。そういうなかで、「審査して下さってありがとう、今回は残念だけどまたがんばります、これからもよろしく・・」というようなお礼状は一服の清涼剤となります。

このお礼状ですぐに何か得をするかと問われたらNoでしょう。でも、NPOとして外部とのあらゆる接点を大切にしていくという基本から考えたら、「助成金申請→不採択」というのも一つの関係性の構築、「縁」だと思います。その場合、好印象を持ってもらうことは大事です。こういう積み重ねが、なにか次につながるものをもたらしてくれるのだと思います。

2.通らなかった理由をたずねてみる。

これは、前述のお礼状に書き添えてもいいと思います。あるいは、申請のやり取りをしてきた事務局のメールアドレスにメールしてもいいでしょう。多くの場合、不採択の理由は明示されませんが、今後、同じところに再チャレンジする際にはもちろんのこと、別のところに申請する際にも、それこそが最も知りたいところです。多くの場合が「お答えしかねません」ということになるのだと思いますが、何か教えてもらえるかもしれません。ダメモトでも訊ねる価値があります。

3.事業計画の見直し

不採択になった事業であっても、団体にとってぜひとも遂行したい事業であったことは確かです。そこで、2つの視点で申請事業について見直してください。

1)この事業を実施する場合、規模や予算や実施時期について代案はあるのか。
2)それなら、その資金源はどこから調達するか

助成金が取れなかったことで「今はあきらめる」という選択もありますが、申請に至ったという点で社会的に必要とされていることは確かでしょうから、あらためて、規模や予算や実施時期について見直さねばなりません。とりわけ当初の助成金という資金調達計画が実現しなかったので、その代替案を考えないとなりません。クラウドファンディング、寄付キャンペーンで調達する、内部留保資金を当てる・・などいろいろな可能性がありますが、もともと助成金モデルで考えられた計画ですから、「別の助成元を探す」というのも現実的です。

4.せっかく作成した申請書を無駄にしないよう

前項で「別の助成元を探す」のいう選択肢をあげましたが、練りに練った事業計画で助成金申請書を書き上げたのですから、それを再利用しない手はありません。不採択の理由がわかっていたら、その点も保管しておいて次にいかさないとなりません。日頃から助成金情報をこまめにチェックしていたら、すぐに別のところに申請したらいいのです。

5.審査に通った他の案件をチェック

公募助成の場合、採択団体は必ず公表されます。時には審査員のコメント等も付記されていたりします。不採択になった身の上としては気が重い作業ですが、ぜひ比較チェックしてみて下さい。不採択の理由を教えてもらえなかったとしても、ここで通らなかった理由が見つかるかもしれません。そうしたら、それを次につなげることができます。

助成金は獲得できなくても、その申請過程で大きな学びを得るものだと思います。事業立案、内部の合意形成、文章化、プレゼンテーション作成・・それらは不採択となったとしても団体を成長させるに違いありません。ぜひとも、果敢にチャレンジなさってみて下さい。

助成金については、「3分間ファンドレイジング講座」の下記もご参照ください。
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