便利な寄付金額計算ツール!(Gift-Range-Calculator)


以前、「寄付集め7つのステップ」のなかで、「Step 5 ファンドレイジング計画の策定」(http://fundraising-lab.jp/archives/461)と題して、過去に実績のある団体が、これからの寄付集めについて、「いくらを何人の人たちから集めたらいいか」という計画を立てるための手法をご紹介しました。「ドナーレンジチャート」です。前の年の寄付収入の内訳を金額幅(=ドナーレンジ)で確認して、その数値を活用する方法です。

今回は、目標額を入れると瞬時に自動計算されて、「いくらを何人から」ということを、金額幅ごとに表示してくれる便利なツールをご紹介します。「Gift-Range-Calculator」です。

はじめに、前にご紹介したドナーレンジチャートのおさらいしてみます。

一例をあげてみます。(表2)は、新年度に約10%の増額を目標として、前年度の実績(表1)の数値を改訂して計画をつくっています。

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余談になりますが、「ドナー(寄付者)レンジチャート」は「ギフト(寄付)レンジチャート」ともよばれ、世界のファンドレイザーがファンドレイジングの計画策定の際に必ず作成するものです。

検索サイトで「donor range chart」あるいは「gift range chart」でさがすと、下記のようなのが沢山見つかり、面白いです。(下記はスクリーンショットですので画像が小さくてスミマセン。ぜひ、yahooやGoogleで画像検索してみた下さい。)

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面白いのは、金額幅に応じて、「ダイアモンドサポーター>プラチナサポーター>ゴールドサポーター・・」といった名称をつけたりしているのが多いこと。「ランク」をはっきり示しています。これも寄付文化だと思います。沢山寄付をする人は褒め称えてよくて、他方で、金額が多い少ないを恥じたりする必要も無いということです。

さて、実は、最近、研修会場等で、「初めて寄付集めをするので、実績がないのですが、ドナーレンジチャートをつくるにはどうすればいいですか?」「新しいプロジェクトへの寄付のメニューをどういう金額枠で用意したら良いでしょう?」というようなご質問を受けました。

そこで、「目標金額」が決まっている新しい寄付キャンペーンや、はじめて寄付集めにチャレンジする場合などに、「どういう金額を何人から募るか・・」という目安がすぐにわかる便利なツール、「Gift Range Calculator」をご紹介します。

このツールは、データベースなどITでNPOをサポートする米国ブラックバウド社がネット上で公開しているものです。公開されているのは下記です。 https://www.blackbaud.com/nonprofit-resources/gift-range-calculator

手順は下記です。

1)https://www.blackbaud.com/nonprofit-resources/gift-range-calculator を開く
2)このページの「Goal Amount」と書かれているところに、集めたい「目標金額」を入力する。
3)「Calculate」ボタンをクリックする。

すると、これまでに同社が蓄積してきた知見から標準化した割合をもとに、いくらを何人から集めれば良いかが自動計算されて、表で示されます。

画面上の表はそのままExcelにコピーして貼付けることができるようになっています。 なお、「目標金額」入力の際には、通貨マークやカンマ・ピリオドは入力しないで下さい。また、ドル仕様のツールですから、小数点以下は無視して下さい。

ためしに300万円を目標額にしてやってみました。

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これを眺めてみると、いわゆる「パレートの法則」、すなわち、「全体の8割の数値は全体を構成する2割の要素が生み出している」という法則が見て取れます。「2割の寄付者が全体の寄付額の8割を寄付している」という法則です。

300万円の8割、約240万円は総寄付者の約2割の人たちが出していくという想定です。さらに、1人の寄付者を得るために最低4人に声がけするという前提になっています。ダイレクトメール、依頼の手紙、訪問、金額レベルでコミュニケーションの取り方をかえて、最低でも4人に依頼しないと実際の寄付者は現れないということです。

他の金額でも試しましたが、最大ランクの寄付募集額が全体額の10%というのが基本になっているようです。1000万円集めるなら、100万円寄付してくれる人をまず1人は見つけようということです。

なお、金額帯ごとのコミュニケーションの手法については、寄付集め7つのステップ「Step 4 コミュニケーション方法や内容の選択」をご参照ください。 http://fundraising-lab.jp/archives/457

実際に集める「金額」は、一口5千円、1万円、3万円というようなものになり、この表ほど細かな金額幅でのメニュー設定はしないと思われますが、これを一つの目安にして、寄付募集金額にそった寄付メニューの設定をしていただけたらと思い、ご紹介しました。